会って、どうしても感謝の気持ちを伝えたい?

深夜のテレビ番組で、タイトルのようなコーナーがありました。

会って、どうしても感謝の気持ちを伝えたいということで、
昔の知り合いを訪ねて行く番組でした。

それで考えましたが、私の感謝している人はもう鬼籍に入っていらっしゃいます。

あはは、私がもうそういう年だということですね。


友人とか知り合いではなく、
会って、どうしても感謝の気持ちを伝えたいということだと、
恩師とか、大先輩とか、そういう人になるでしょうね。


私にもそういう人が居ます。

小学校5,6年の2年間担任だった先生です。

まぁ詳細は略しますが、家庭で押しつぶされそうだった私の、
のしかかったストレスを解き放ってくれた人です。

私は非常に「いい子ちゃん」だったのですが、
そんな私の闇の部分を、先生は見抜いていたのだと思います。


ある日、給食当番だった私は、3階の教室から大きなパンのケースを運んでいました。
そこに先生が通りかかって
「まほ、元気か?」教室で会っているのに、なぜかそう聞かれました。

「今、このパン箱をここ(階段の上)から落としたらどうなるか考えてました」

一瞬、私の目を見た先生は「やってみろ」と。

パン箱が壊れたら困るからやめろと言われると思っていた私は、
唖然として「いいんですか?」
「いいよ」

で、私もやりましたね。
階段の上から手を離し・・・パンのケースは、
ガランガランを大音響をたてながら、踊り場も通過して下まで落ちました。

音に気付いて、たくさんの児童や先生が集まってきましたが、
先生が平然としているので、三々五々散っていきました。

「まほ、気が済んだか?」
そう言うと、先生は去っていきました。
その時も、その後も、その件については一言もおっしゃいませんでした。


あの時の先生の目を、ずっと私は覚えています。

軽蔑でも哀れみでも怒りでもなく、何とも言えない光でした。


私が30歳を過ぎたころ、先生は亡くなりました。
私はあの2年間で、かなり救われたと思います。

先生、ありがとうございました。
と、お礼ももう言えません。
nice!(4)  コメント(2) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。