故郷に帰って

先日、雨が降って寒かった日、風もすごかったあの日。

美容院に行くと、お客さんがすごく少なかったのです。

カーブスに加入した時あたりから通っているので、もう8年ぐらい経ちますが、
私は特定の美容師さんを指名することはないので、
その日の美容師さんも、何回か会っていますが名前も知りません。

その人が、カットしながら
「今日みたいな天気の日は、お客さんが少ないので、
昔なら、みんな暇で困ったでしょう」
「今は?」
「昔の半分ぐらいしか美容師が居ませんからね」
「あーそういうこと?そんなに減ったの?」
「はい、みんな独立したり、田舎に帰ったり」
「そうだね、みんなこうして手に職あるんだから
どこに行ってもだいじょうぶだもんね」
「僕も5月一杯で辞めるんです」
「そうか。開業するの?」
「いや、田舎で勤めます。青森なんです」
「青森かぁ、私、青森市にお友だちがいるよ。陶芸家なんだ♪」
「そうですか・・・うちは八戸なんで、青森はよく知らないです」

私はこう見えても人見知りで、美容室に行ってもあまり話をしません。
(だから、サービスのつもりでいろいろ話してくる個人美容院に行くのを止めました)
スマホや料理雑誌を見ているふりをして「話しかけるなオーラ」を出すからです。

そしてその美容師さんも、長い間には何度かカットしてもらったことがありますが、
ほとんど会話した記憶はありません。

でも、多分彼は、辞めて田舎に帰ることで、ちょっと感慨深い気分があったのでしょう。

それで、何度か会っている私に伝えたかったのかも知れません。

「実家のある八戸に行くってことは、ご両親と暮らすの?」
「同郷の子と結婚するんです」
「あーそれはおめでとう。そうか、めでたい、めでたいね♪」
「同じ年の地元の子なんで・・・」
「同じ年・・・年って、いくつになるの?」
「29歳です」
「良い感じだね、年齢的にも。技術的にも」
「はい、ゆくゆくは独立するつもりです」
「5月というと、私はもう会えないね。2.3か月来ないから(笑)」
「はい、そうですね。」
「元気でね。幸せになってね」
「ありがとうございます」


幸せな話を聞いて、髪もさっぱりして、
なんだかほっこりした気持ちで帰路につきました。
頑張れ、青年!
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