あの時代に、似合わなかった人

「世の中は 常にもがもな 渚(なぎさ)漕ぐ
海人(あま)の小舟(をぶね)の 綱手(つなで)かなしも」

百万年ぶりの百人一首です(笑)


NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」

今、鎌倉殿となっていて、もう明日にも暗殺されてしまう、
源実朝さん・・・源頼朝と北条政子の間に生まれ、
12歳で鎌倉の三代目将軍になりました。

百人一首には鎌倉右大臣(かまくらのうだいじん)として載っています。

義時にいいように利用されて「ちむどんどん」ならぬ「死ぬどんどん」の中で、
結局は若干28歳で非業の死を遂げるという、なんとも可哀そうな人です。

このドラマを見ていて、義時がどんどん嫌いになった私(笑)


それはともかく、
実朝さんは、ドラマで見る限り、繊細で優しい性格です。
事実、戦いよりも和歌に興味があり、名歌をたくさん生み出しています。

その中の一つが冒頭の歌ですが、
つまりは、
「平和だなぁ、漕いでいく漁師の小舟が浜から綱で結ばれている、
いつも通りのこの風景が、せつないほど愛おしい」
という意味の、ごく普通の光景を詠んでいますが、優れた歌です。

こんな実朝さんの繊細な神経に、戦はまったく似合いませんよね。

ドラマの中で、世継ぎがなかなか生まれないと政子などにせかされますが、
実は、奥さまとそういう関係がなかった。

義時の息子の泰時に歌を送ったら「これは・・・恋の歌ですね。お間違いですよ」
と返され、「すまん、違う歌を渡してしまった。こちらを」
と、雄々しい歌を渡し直すという、せつない場面も描かれています。

ジェンダーに関する問題をさりげなく取り入れた、
大河にしては珍しいドラマとなりました。


朝廷から養子を迎え、鎌倉殿(実朝さん)も右大臣に任命され、
この先盤石かと思われた(?)のですが、
鶴岡八幡宮に詣でたときに、暗殺されます。

多分、それが明日?

実朝さんの薄幸で切ない人生も、終わりを迎えます。


そういうワケで、超久しぶりに百人一首を取り上げようと思いました。
このドラマ、他にも、百人一首に載っている和歌の名手が出てくるのですが、
それは後日・・・実現するのか?
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